京都市右京ふれあい文化会館

〒616-8065
京都市右京区太秦安井西裏町11番地の6
TEL:075(822)3349(代)
FAX:075(822)3384

自主公演のご案内

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未来へつなぐ伝統芸能 − 国指定重要無形文化財「能楽」−
はじめての能 その2 初級編

謡の響きにドキドキ 小鼓のリズムにワクワク

優雅な舞囃子をじっくり拝見!

2019年1月に開催した『はじめての能 超入門講座』の第2弾は、囃子方(はやしかた=笛や太鼓を演奏する人たち)を迎え、さらに能の魅力をご紹介します。

2月には右京区唯一の能楽堂、杉浦能舞台を尋ねるミニツアーも開催!

 

●お話―能の歴史と演目の解説

●謡(うたい)に挑戦!

●面(おもて)をつけてみよう!…4名程度体験します

●お囃子っておもしろい!―囃子の解説と小鼓体験

●舞囃子を楽しむ!―『経正(つねまさ)』/シテ:杉浦豊彦

舞囃子とは…演目のクライマックスをシテ一人が面・装束をつけず、紋服・袴のままで地謡と囃子を従えて舞うもの。最も面白い部分だけを演じるため、能のダイジェスト版と言えます。

 

本公演は写真撮影OKです!

 ぜひたくさん写真を撮って、お友だちやお知り合いの方にご紹介ください。

 SNS等への投稿も大歓迎です!

★前回の『はじめての能 超入門講座』の様子はコチラから!

 

 


 

未来へつなぐ伝統芸能 ―国指定重要無形文化財『能楽』―

はじめての能 その2 初級編

2020年1月11日(土14:00開演 (13:30開場

京都市右京ふれあい文化会館 創造活動室

 

【料金】こども 800円(小学3年〜中学生以下)/おとな 2,000円 

 ※小学生2年生以下入場不可

 

【定員】合計80名/こども優先

 (定員に達し次第受付を終了いたします。)

 

【お申し込み方法】

お申込みナシで当日参加もできます

 直接会場(創造活動室)へお越しください。

1. 参加者の氏名年齢または学年(全員)、2. 住所、3.電話番号を明記のうえ、

会館窓口/電話 075-822-3349/FAX 075-822-3384

メール ukyo*kyoto-ongeibun.jpまでお申し込みください。

(メールの場合、アドレスの「*」を「@」に変えて入力してください。)

【申込締切】2020年1月8日(水)当方必着

 

 

【教えていただく先生方】

 

杉浦豊彦

シテ方 観世流

杉浦能舞台主宰

公式サイト

松井美樹

シテ方 観世流

 
 

深野貴彦

シテ方 観世流

橋本忠樹

シテ方 観世流

 

森田保美

笛方 森田流

林 大和

小鼓方 幸流

石井保彦

大鼓方 石井流宗家

 


能舞台見学ツアもあります!

右京区鳴滝にある「杉浦能舞台」にお邪魔し、総桧(ひのき)造りの舞台と杉浦豊彦さんのパフォーマンスを拝見しましょう!

 

日程:令和2年2月8日(土)14:00〜(所要時間:約30分)

場所:杉浦能舞台(嵐電「鳴滝」駅下車 徒歩2分)

   京都市右京区鳴滝瑞穂町1

費用:500円

定員:約20名(先着順)

お申込み方法:会館窓口で直接お申し込みいただくか、電話(075-822-3349)でご予約ください。

受付期間=令和元年12月15日(日)〜令和2年1月31日(金)19:00まで

 

主催:京都市右京ふれあい文化会館(公益財団法人京都市音楽芸術文化財団)

   京都市

助成:芸術文化振興基金助成事業

  

 

【レポート】 未来へつなぐ伝統芸能「はじめての能 その2 初級編」(1/11)

松の内気分も続く三連休初日、1/11(土)に「未来へつなぐ伝統芸能 ―国指定重要無形文化財『能楽』 はじめての能 その2 初級編」を開催しました。

今回は特別に、会場の創造活動室に能舞台を設えました。桧(ひのき)材で作った所作台と九尺(約2.7m)の高さで輝く金屏風を配置し、杉浦能舞台の鏡板の松の写真をスクリーンに投影しています。

また、今日の講師を務めていただく観世流シテ方の杉浦豊彦さんにお願いして、杉浦家に伝わる貴重な面(おもて)や豪華な装束(しょうぞく)をお持ちいただき、舞台の脇に展示しました。

 

左から観世流シテ方の杉浦豊彦さん、松井美樹さん、深野貴彦さん、橋本忠樹さん

 

まずは、シテ方の能楽師4名を呼び入れ、杉浦さんから能の歴史やこの後ご覧いただく舞囃子の演目『経正』についてお話をしていただきました。

 

 

1:能のお話

観世流シテ方の杉浦豊彦さん

約650年の歴史を誇る「世界最古」の演劇として、狂言とともに「能楽」として国の重要無形文化財に、2008年にはユネスコの無形文化遺産に指定されていること、武将や権力者・財閥などに好まれて発展したあと、近現代は幅広い観客層や素人弟子の愛好者の増加に支えられて人気を博したものの、後継者問題やファン層の拡大に尽力されていることなど、能楽堂ではなかなか語られない話をお伺いしました。

 

 

2:謡に挑戦!

続いて、能の物語を進める謡(うたい)の体験に移りました。

のちほど拝見する『経正』の最後の一節を、4人のシテ方のみなさんと一緒に謡ってみました。腹式呼吸であごを引いてお腹の底から低い声を出し、独特の抑揚をつけて謡ってみると、日頃のストレスも吹き飛ぶ気もします。

 

『経正』の一節を謡うための詞章(ししょう)と、謡の音の高さを表したもの。

(クリックすると拡大します)

 

 

3:面(おもて)を付けてみよう!

次の体験は「面(おもて)」。舞台でも使われる貴重な面5枚を拝見した後、観客の中から希望者4人が舞台に上がり、面をかけてみることに。

視界も狭く息苦しいなか、真っ直ぐに歩くのさえいかに大変かを体験していただきました。

 

「目」や「鼻」の穴から見える視界はごくわずか。この状態で謡い、距離感を計って舞をするのですから、すごいですね!

 

 

4:お囃子っておもしろい!

休憩を挟んだ後半は、いよいよ囃子方3名が登場。

囃子(はやし)の楽器である(能管)、小鼓大鼓についてそれぞれ解説していただいたあと、小鼓の体験コーナーも。会場のみなさんも左手を小鼓に見立て、「ポン」「イヨッ」「ポン」「ホッ」とリズミカルに体験していました。

 

笛方 森田流の森田保美さん 小鼓方 幸流の林大和さん
大鼓方 石井流宗家の石井保彦さん(左)  
小鼓は、手首をブラブラにしてその勢いで皮をポンと叩きますが、難しいです
みんなで小鼓のリズム体験。掛け声とともにポンッ!ポンッ!

 

 

5:舞囃子『経正』

能の音楽を担う(声楽)と囃子(器楽)について勉強したあとは、いよいよ(まい)が三位一体となる「舞囃子」を拝見しました。舞囃子とは、演目のクライマックス部分を面と装束はつけずに紋服・袴のままで演じるもので、能のダイジェスト版とも言えます。

シテ(物語の主人公)は杉浦豊彦さんが務めます。

静かに謡が始まると、あたりは夜の仁和寺御室御所に・・・金地に荒立つ波へと沈む夕日が描かれた負修羅扇(まけしゅらおおぎ/演目や役柄によって使う扇が決まっている)を手にしたシテ=平経正の亡霊が、修羅の道に堕ちた経正の無念さを、優雅にかつ勇ましく演じます。

囃子方と地謡がいよいよ勢いを増してくると、シテ方が激しく踏む足拍子が鳴り響き、観客は圧倒されました。

最後は経正の無念が舞台に満ち、あさましい自分の姿を見られたくないと静かに―「魄霊の影は失せにけり」―消えていきました。

 

 

★当日配布したプログラムにはお役立ち情報が満載!ぜひご覧ください。

 (クリックすると大きい画像がダウンロードできます)

 

 

●今回の公演は、独立行政法人日本芸術文化振興会による芸術文化振興基金を得て開催しました。

 


 

6:能って…おもしろいですよ!

終演後は、装束(縫箔:ぬいはく)と面(深井・平太・しかみなど)を間近で見せていただきました。いずれも杉浦家に伝わる貴重な品々です。

 

今回は「初級編」、観客も大半が能をご覧になるのが初めてという方で、解説や体験でグッと能を身近に感じていただけたようでした。

最後の迫力満点の舞囃子には満足されたようで、「これを機に能楽堂に足を運びたい」「敷居が高いと思っていたが、知ることが出来てよかった」との感想がありました。

 

 

能は『平家物語』などの古典に題材を求めたものが多く、それが故に難しいと敬遠されがちですが、やはり日本人の美意識や芸術に対する考え方の源流ともいえる「能楽」を少しの予備知識とともにじっくり拝見すれば、親近感とともにその醍醐味に気づけることでしょう。

いつの時代も、人々は強くて弱く、喜んで悲しみ、勝って負けてを繰り返しています。

「昔も今も同じだな」―そう思うと、能などの登場人物が等身大で立ち現れるような気がし、伝統芸能を気軽に楽しむきっかけになるのではないでしょうか。

 

今後もこの「未来へつなぐ伝統芸能」シリーズで地域に伝わる郷土芸能や伝統芸能をご紹介していく予定です。

気軽に立ち寄れる文化会館で、ぜひ「知ること」を楽しんでください!