鳳徳小学校でヴァイオリン&ピアノ演奏会!
<アウトリーチ活動>第十回を実施しました。
京都市北文化会館は、平成25年度から、芸術家の方々に地域の生活の場へ出向いて活動を行っていただくアウトリーチ活動を開始しました。
第十回は五度目の鳳徳小学校の音楽の授業です。ピアニストの崔理英さんとヴァイオリニストの木下真希さんに訪問していただきました。
小学1年生43人の生徒たち。元気いっぱい、音楽室へ。
最初はエルガーの「愛のあいさつ」。ヴァイオリンの名曲です。
木下さんがヴァイオリンについてお話されます。
「ヴァイオリンは木で出来た箱のような、中は空洞の楽器です。低い弦から高い弦まで、四本の弦があります。弓は馬の尻尾の毛で出来ています。この弓で弦を擦って音を出します。弦をはじく奏法、同時に二本〜四本の弦を弾く奏法もあります。」
「では、ヴァイオリンのみで演奏する、バッハの「無伴奏パルティータ第3番より、ロンド風ガボット」を聴いてください。」
次に崔さんがピアノについてお話されます。
「私はこの近くに住んでいます。鳳徳小学校の前も犬のお散歩コースなのでよく通ります。今日は懐かしい感じの音楽室で、皆さんに音楽を聴いていただこうと参りました。ピアノは習っている方も多いでしょうし、皆さんも時々聴くと思いますが、本当の名前は何と言うか知っている人はいますか?」
「電気ピアノ?」という声が。
「それはちょっと違うのね(笑)。ピアノフォルテと言います。ピアノは小さい、フォルテは大きいという意味で、ピアノフォルテで<小さい音から大きい音まで出る楽器>という意味で名づけられました。こんなに高い音から、低〜い音まで、硬い音も、柔らかい音も出せる楽器です。今から300年くらい前に発明され、1800年頃に今の形になりました。音の出るしくみを知っている人はいますか?」
「ハンマーで弦をたたいて音を出す!」
「よく知っていますね!そうです。この内部にたくさんの弦が、強い力でピンと張られているんですね。非常に精密に造られている楽器です。」
「それでは、シューマンの「子供の情景」から聴いてください。」
まず、「見知らぬ国とそこにいる人たち」。
「次は遊びの名前ですよ。何でしょう?休み時間に校庭で遊んだ人もいるかも知れませんね。」「鬼ごっこ」という曲でした。
「最後は「重大な出来事」という曲です。蓋を開けて弾きます。大きな音が出ますよ。果たして、何が起こったのでしょう?」
さて、お待ちかねの演奏体験コーナーです。
「子供用の、体の大きさに合わせた小さい楽器があり、それで練習します。今日は楽器屋さんから借りて来ましたので、演奏する人は前へ出て来てください。」
あらかじめ班で一人ずつ決めた12人の生徒たちが前に出て来ます。
「顔だけ横を見て、少し上を見て、楽器をはさんで、あごを下げて。」
みんな、思い思いの音を出します。
「それでは、モンティの「チャルダッシュ」を聴いてください。ジプシーの踊りの音楽を取り入れていますので、リズムが変化する楽しい曲です。」
「質問のある人はいますか?」
「ヴァイオリンを弾くと、体にビリビリ響くのはどういう感じですか?」
「それは体験しないと解らないなあ。ちょっとやってみますか?」
すると「私もやってみたい!」「僕も!」と、結局10名以上の子供が再びヴァイオリンの演奏体験をすることに。やっぱり、みんな弾いてみたいんだ。
「では最後に、皆さんも知っているかな?ディズニーの曲を弾いて終わります。」「美女と野獣」。情感あふれる、美しい演奏でした。
先生方、お疲れさまでした。本当にありがとうございました。
京都市北文化会館の音楽の授業訪問、今年度はひとまず終了です。十回の訪問で、三つの小学校の約570名の生徒たちにクラシック音楽の生演奏を聴いてもらい、「きれいだった」「楽しかった」「びっくりした」「もう一度聴きたい」など、うれしい感想をたくさん聞かせていただきました。
来年も引き続き実施していく予定です。興味をお持ちの方は、どうぞお気軽に京都市北文化会館までお問合せください。