紫明小学校でクラシックギター演奏会!
<アウトリーチ活動>第三回を実施しました。
京都市北文化会館は、平成25年度から、芸術家の方々に地域の生活の場へ出向いて活動を行っていただくアウトリーチ活動を開始しました。
第三回は再び紫明小学校の音楽の授業です。クラシックギタリストの加藤信一さんと田中慎(まこと)さんに訪問していただきました。加藤信一さんはなんと紫明小学校の卒業生です。母校で後輩たちの前で演奏できるなんて!と計画段階から楽しみにしていたという加藤さん。さあどんな演奏会になるでしょうか。
小学3、4年生約70人の生徒たちが入ってきます。

まずは加藤信一さんの「愛のロマンス」。スペイン民謡で、「禁じられた遊び」の名前で有名です。続いてスペインの作曲家、フランシスコ・タレガの「ラグリマ」を演奏された後、加藤さんは想い出を語ります。

「父、私、三人の子と紫明小学校にお世話になりました。私は今65歳ですので、もう55年前ですね。当時は一クラス55人で一学年6クラスありました。全校で1300人くらいいました。」
えーっ!そんなに大勢いたの!と生徒たちはびっくり。
「私 は背が高かったのでいつも最後列で、手を伸ばせば後ろの壁に当たりました。朝礼が毎日あるんですが、校庭が生徒でいっぱいになるんですよ。ドッジボールを したり、砂場ですもうを取ったり、ケンカもよくしました。『仲良くしようね』と言われた先生の言葉や表情は今も思い出します。その経験は今も私の人生に役 立っています。」
ここで映画「魔女の宅急便」から「海の見える街」。生徒たちからわーっと歓声が上がります。一緒に口ずさんだり、ハミングしたり。やっぱり知っている曲には反応しますね。
次に田中さんがギターについてお話されました。


「私のギターはフランスのブーシェ という方の作になるもので1961年製です。表面を見てください。細い線が見えますね。これは年輪です。この木は樹齢300年以上のものなんです。みなさ んは10歳くらい、ご両親は40歳くらい、祖父母様は70歳くらい、曾祖父母様は90歳くらいですね。300年という時間はずーっと昔です。この木はドイ ツ南部の黒い森のものです。森にはクマ、リス、シカ、いろんな鳥など、多くの生き物がいますね。そうした生き物たちが木の実や他の動物を食べて、死んで、 微生物が分解して木の豊かな栄養になります。だから、この木には300年分の生き物の命が生きているんです。私がいなくなっても、ギターはまだ300年生 き続けます。そうした自然の中で音楽が流れるんです。」

最後はお二人で、フェルナンド・ソルの「アンクラージュマン(励まし)から二重奏」。アンコールの拍手に答えて、「大きな古時計」を弾いていただきました。まだ時間が余ったので、質問コーナー。なごやかな45分間が終了しました。
素敵なオマケが!三年生の担任の中西悠子先生が実は大のギターファン。毎日弾いて生徒たちと唄っている、ゆずの「夏色」の大合唱で私たちを送り出してくれました。みんな、本当にありがとうございました。




京都市北文化会館では、7月に1件の学校訪問を予定しています。9月以降も続けてまいりますので、興味をお持ちの方は、どうぞお気軽に京都市北文化会館までお問合せください。